深き水物語
- 2015.08.17 Monday
- 15:32
旅の1週間も早いですが。
旅から戻っての1週間、2週間も早いですね。
今回の旅も、得ることがたくさんありました。
確かに、今までも気にはしていましたが…
今回の旅で、より強く大事さを確認しました。
それは…
『水』
です。
焼酎の加水、水割り、お湯割りは勿論のことですが…ロックの氷にいたっても、
元をたどれば、全て『水』です。
だから、一夢庵はオープン当初から水を汲みに行っています。
汲んできた水を一度沸かして、冷蔵庫で保管します。
何故!?
それは…
水の味が、焼酎の味を左右するからです。
例えば…
製氷器の氷でのロックや水割りで途中から苦く感じたことはありませんか!?
以前にも言いましたが、水道水とはいえ水質がいい所や浄水器を通している場合は、また別です。
苦味…これは製氷器の氷が溶けた為に出てきた味です。
焼酎による味ではありません。
もし…苦味が原因で焼酎を敬遠されている方がおられましたら、
今一度イメージをフラットにしていただいて、改めて飲んでみてくださいませ。
焼酎本来の旨味を味わってくださいませ。
で、
『水』の話ですが…
ずっと、とある蔵の焼酎の味わいがどこから…なにからくるものなのか興味がありました。
また、その味わいを活かす為にはどの様に向かい合えばいいか…決めかねていました。
しかし…今回
蔵で仕込み水を飲ませていただき、謎は解けました!!
確かに
造りが味を決めますが、
風土、蔵元さんのお人柄も焼酎の味の要因ではあります。
そんな中でも
『水』なのです!!
焼酎を仕込む中で
『仕込み水』
を使用します。
また、
原酒をアルコール度数25度に整える時には
『割り水』
を使用します。
『仕込み水』は大抵の場合蔵の敷地内の地下水を使用されています。
『割り水』も基本、同じ水を使われます。
中には…
『割り水』用に別の水を汲みに出かけられている蔵もいらっしゃいます。
それは…それぞれに合った硬度であったり、pHを選ばれているからです。
蔵元さんはとても『水』を大事にされています。
だったら…
焼酎を扱う私たちが
焼酎を割ることに使う『水』や氷を作る『水』を大事に考えることは当たり前なのではないでしょうか!?
考えてみてください。
ひとつの焼酎が
造られる過程から飲み手の口に入るまでに使われる『水』の種類は??
『仕込み水』と『割り水』が同じ水を使用されている焼酎を私が水割りにすると…
2種類の『水』が使われることになります。
『仕込み水』と『割り水』に違う水を使用されている焼酎を私が水割りにすると…
3種類の『水』が使われることになります。
どうでしょう!?
こんなにたくさんの種類の『水』を使用する飲み物があるでしょうか!?
こんなにたくさんの種類の『水』を使用しながらも、本来の味を発揮できる飲み物があるでしょうか!?
そう考えると
焼酎の違う顔が見えてきませんか!?
面白く!ワクワク!!するのは私だけでしょうか!?
蔵の『水』を飲ませていただいて…
自分たちの『水』と近いな!と思った時はそのままストレートに表現しようと思います。
が…
味わいが違う『水』に出会うと、本来の味を活かす!本来の味を損なわない!私らしい表現をしなければ!!
と、思います。
せっかく美味しい焼酎に出会っているのに…その美味さを伝えないなんて!!
本末転倒ですよね。
何一つ難しいことなんてありません。
生活の中に当たり前にある『水』。
その当たり前をどう活かすか!!なのですから。
(携帯より)