時折リクエストをいただきます。
「芋くさい焼酎がいいなぁ〜」
さて、
この 『芋くさい』 ってなんでしょう。
私は口にしたことがありませんので、断言はできませんが
昔から焼酎を飲まれている年配の方に多いリクエストということは…
昔は『芋くさい』と表現したくなる味わいだったのでしょうね。
しかし、
昔… と言っても近年の焼酎ブーム以前でしょうから
昭和の後半から平成の頭といったところでしょうか!?
私の焼酎デビューが平成13年の終わりから14年の頭でしたので…。
世に言う 『焼酎ブーム』 直前ですね。
きっかけは、主人との結婚=晩酌です。
デビュー焼酎は
今は廃業されていますが、新屋酒造さんの 『結夢庵』 『紫美』 でした。
飲まずして、勝手に描いていた芋焼酎とは全く違う味わいでした。
「これはいける♪」が始まりでした。
さて、
飲まずして、勝手に描いていた芋焼酎のイメージとは…
『くさい』でした。
「はじめ人間ギャートルズ」のお父さんの『プハァ〜』のイメージでした (笑)
『くさい』 は本来好まれない時に使う表現ではないでしょうか!?
確かに、珍味とされる食べ物の中には 『くさい』 と表現されるモノもあり
好みの問題もあるので、『くさい』=駄目 では決してありません。
ただ、現状において 『芋くさい』 が芋焼酎の味わいの何にあたるかです。
お客さまが言われる 『芋くさい』 が 芋焼酎の何 を表現されているのかです。
結局のところ・・・どんな芋焼酎を好まれているかなのです。
「芋くさいのがいいなぁ〜」のリクエストをいただいた時の私の言葉は
「お客さまが言われる 『芋くさい』 が何を表現されているかは難しいところですが、
昔から飲まれている方に多いリクエストです。
私は 今の芋焼酎しか知りませんので、何とも言えませんが
話を総合するに 昔に比べて、今の芋焼酎はどれもきれいな味わいです。
それは、
芋の栽培技術の向上にもよりますし、
製造技術の向上にもよります。
芋自体の品質も向上していますし、
選別もきちんとされ、
痛んだところなど手作業でカットして良い状態で 蒸かしに入られます。
だから
所謂… 『きれい』な味わいに全体的になっていると思います。
しかし、
『芋の芳ばしさ(こうばしさ)』や『芋焼酎ならではのどっしり感』を表現した芋焼酎はたくさんあります。
お客さまの言われる『芋くさい』は
『芳ばしさ(こうばしさ)』や『どっしり感』に値するのではないかと思い 選びました。」
こうして、
一杯の水割りなりお湯割りをお出しすると、
一様に 「しっかりした味わいだね。これが芋焼酎の味かぁ〜。 美味しいよ!」
と、おっしゃってくださいます。
おかわりもいただきます。
また、 「同じ感じでの違う芋焼酎」 のリクエストもいただきます。
そして
次回からは
「芋の芳ばしさの強い 芋焼酎ちょうだい」
「芋がしっかり感じるのちょうだい」
とリクエストいただきます。
押しつけな意見と思われれば、それはそれで結構です。
しかし、
本格焼酎を扱う者として
今の本格焼酎を よりよく理解していただき、楽しんでいただく。
好きになっていただく。
愛飲していただく。
その為に、言葉を尽くすのは当たり前のことと思います。
なぜに 「芋くさい」の表現を放置しているのか。
変わりが無い程の特殊な表現ならまだしも
芋焼酎を表現するにはいくらでも言葉はあるのですから
売り手側からの言葉かけを意識するべきではないか。
本格焼酎の味わいを伝えるのみならず 味わいの表現方法も伝えるべきではないか。
本当の焼酎呑みを増やす為に。
しかし・・・
なぜか・・・
芋焼酎だけですよねぇ〜
『くさい』 と表現されるのって。(好まれる表現としても)
他の本格焼酎(麦・米・黒糖)には無いし、
ビール、ワイン等他酒にもないですよね。
たとえば
麦焼酎を飲んで 「麦のこうばしさ」 とは言っても 「麦くさい」とは言いませんよね。
ワインを飲んで 「葡萄くさいですね。」 はないですね(笑)
清酒を飲んで 「米のあまみ」 とは言っても 「米くさい」 はないですね。(笑)
不思議ですね。
追記
相変わらずの携帯からの投稿により 読みづらいにも関わらず最後までありがとうございました。
(携帯より)