私は このカウンターが好きだ
このカウンターで出逢った方には
ホッと一息できる一杯を お出しできるように
日々心掛けています
宵も深まり
「うちの焼酎で お湯割りを作ってください」
お忍び来店(笑)の蔵元さんのリクエスト
杯も重ねられた後の 最後の一杯でしたので
アルコール度数42度
2014年製造
開封後1年以上2年未満
ボトル半分程の内容量
のモノを 選びました。
この焼酎は ビンテージモノです
便詰めされ 出荷されてからの熟成を想定しての
その変化を 飲み手に味わってもらうための造りをされた一酎
さてさて・・・
温度帯を考慮しながら
アルコール度数を一気に 42度から11度程度まで下げつつ
味わいを引っ張っていきます
温まり たちのぼる香りを確認しながら
味わいが伸びていることを 確信します
銘柄を伝え カウンターにお出しします。
一口含まれた後に 漏れた言葉は
「うまい・・・」
そして
また一口含まれる
そうなんですよね
私たちにできることは
造り手である蔵元さんが 我が焼酎に対するイメージの一歩先を行く
新たなイメージを構築することなんです
なにも 特別なこともせず 奇抜な手法も用いず
ただただ
焼酎と 水と 氷
焼酎と お湯
を使ってのことだけなんです。
以前も
「うちの焼酎 こんなに美味しかった?!(笑)」
なんてお言葉も いただきました。
「うちの焼酎 こんな味わいもだせるんだ・・・」
なんてお言葉も 漏れてきました。
「いつも飲んでるのに いつもより杯がすすむなぁ〜」
なんて声も。
私にしてみれば
当たり前のことをしているだけですので
何がポイント?! と質問をいただいても・・・
いい答えが 見つからず
「本能のままに・・・です」 とお答えしたことも。
私にしてみれば
二十歳の時から 見ていることは 変わらないのです
短大を卒業して 保母(今は保育士)として10年お勤めしました。
その間
生後3か月から就学前のお子さんと 共に過ごしましたが
毎日 見ているのは
『一人一人の個性』 でした。
少しでも早く その子の特徴を見いだし そこを伸ばす環境を創る
強い面も 弱い面も その子の個性です
年齢が大きくなれば その子自身が その特徴に気づき 自信を持つように環境を創る
こうした10年でした。
次に就いた仕事は 花屋
そして
ブライダルの装飾のお仕事でした
これは ここ焼酎居酒屋オープンまでの 3年ほどの短い期間でしたが
この時も 「この花が一番輝く向き」を 常に見ていました。
花を活けたことがある方なら 頷く話ですが
ちょっとした角度で 表情を変えてしまうのです
一見前を向いているようで 背を向けていることがあります
「この花が この花らしくあるための向き」 があるのです
「この花がもつ以上の 魅力を引き出せる向き」 が存在するのです
それを 見極められるかどうかで 同じ花でも輝きが違うのです
そして
主人が 焼酎居酒屋をする! ということで 手伝うことになったのですが
最初は 「・・・・。」 な感じでした
全くもって 何が魅力なのか解らず が、正直なところでした。
美味しいとは思うけど・・・
敢えて この銘柄でなきゃいけない理由が 解りませんでした。
しかし
ある日 自分の割った水割りが いつもより美味しかったのです
その時に
「この銘柄の 美味しさはここにある」
と 感じました。
それからは
二十歳からやってきたことと 同じことをするだけでした
「この焼酎の個性は どこにあるのか」の 探索でした。
今では 『見る』 ではなく 『感じる』ですね
おなじ焼酎でも
気候が変われば 温度(室温)も変わり
当然 焼酎の常温も 変わってきます。
一度開封すれば 一杯ごとに空気に触れ
残量が減れば 当然瓶内の空気の量が 増えます。
目に見えることも 見えないことも
実は 刻々と変化しているのです
と、言う事を意識するだけで 自分には感じる焼酎の魅力があるのです。
私が 一番思うのは 言いたいのは
「この銘柄でなければいけない理由となりえる『魅力』があるかどうかです」
「旨い」のは 当たり前なのです。
造り手は 「旨い」と思うものを造って世に出しておられるのですから
だけども 「この銘柄でなければ・・・」 の『魅力』がすべてにあるかと言えば・・・
これって 毎日毎日 来る日も来る日も
焼酎を割り続けている 割り方の私だから 感じ得られることだと自負します。
以前は 「本能でやっているだけだから・・・」 と言っていたのですが
主人に 「自負して良いことだ」 と毎度強く言ってもらえるので
そろそろ 「自負します!」(笑)
そうすることで
またまた 新しい何かが生まれる気がしましたからね。
私たちを驚かすためだけに
第三者を経由して 偽名でご予約いただいた Fさん
本当に 驚きました!!
この春最大の 大笑顔の驚きでした💛
そして
本当に 本当に ありがとうございました。
「うまい・・・」 の一言
私の 今後の糧となります。